2日朝日新聞の社説で、保育制度改革について論じられていました。
社会保障審議会の特別部会の第一次報告をベースに論じられていましたが、目新しい指摘や提言は読み取れませんでした。
新たな制度案では、保育所の許認可以外に、保育所設置に関する最低基準をクリアした場合の指定制や民間参入の促進が提言されています。ここでいう最低基準については、はるか昔に決められた水準が今現在も使われており、なおかつ規制緩和の中でその基準がさらに緩やかになってきている面もあります。保育所不足を補うために、都市部を中心に保育所を作りやすくするためにです。
待機児童が2万人いるという中、保育所を増やすことは必要なことと思いますが、決して十分とはいえない最低基準をきちんと見直して、子どもが育まれる環境として今の世の中にあった(悪い環境を容認するような合わせ方ではなく)基準にしていくことが大事ではないかと思うのです。
保育サービスとして、保護者のニーズに応えていくことは大事なことですが、保育所で生活をする子どもたちのニーズは、より良い環境で生活をすることです。
財政厳しい状況とはいえ、コストかけずに待機児童解消には自ずと限界もあるかと思いますし、それは子どもたちの保育環境に大きく跳ねかえっていくことでしょう。
子ども一人あたりの専有床面積の増加や看護師や栄養士の必置など、基準の充実を考えて頂きたいと思いますし、前にも書きましたが、国家資格や新保育所保育指針で求められるような専門性を十分に発揮できるように、保育士をはじめとした保育所職員の処遇の向上にもしっかりと取り組んで頂きたいと思います。江戸時代の農民ではありませんが、「生きぬように死なぬように」というような状況で頑張っている保育士たちが、全国にもたくさんいます。多くは望みませんが、保育士たちが誇りを持って保育にあたれるように、国にもしっかりと考えて頂きたいと願います。
「潜在的待機児童は100万人、運営費だけで約7千億前後が必要(朝日3/2社説)」とのこと。財源は本当にないのでしょうか?
国全体の名目GDPで日本は世界第2位、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアは4,5,6,7位ですが、国民一人当たりの名目GDPは19位、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアは、17位、10位、16位、18位です。1位はルクセンブルク、2位はノルウェー、7位にスウェーデン、9位にフィンランドと、上位には福祉先進国が並びます。
日本は他の国より「休まず、長時間働く」、それなのに得られる付加価値は低いということになります。富の分配に大きな偏りが生じ、様々な格差が生まれています。この点が改善されなければ、少子化問題は改善されないのではないかと思います。
国民の幸福度を高めるために国がどうあるべきかという根本の問題を少子化問題や保育制度問題にすり替えないで頂きたいと願うばかりです。
国全体の名目GDPが20位のスウェーデンが一人当たりでは7位となっています。私は経済が専門ではありませんので短絡的な物言いかもしれませんが、乳幼児の保育・教育の重要性をしっかりと踏まえた上で、GDP20位の国がGDP2位の国に出来ていない人的及び物的保育環境の整備にたいへん力を注いでいます。次世代育成に関する国の基本的姿勢の差異を大きく感じます。
前にも書きましたが、欧州にはGDPの3%を子育て支援にあてている国があります。日本は0.7%しかあてていません。
「政策の優先順位をあげて財源の確保、未来への投資の素早い実行(朝日3/9社説)」
保育だけに限らず、他の子どもすべてに関わる「未来への投資」をお願いしたいと思います。
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